大腸カメラ
大腸カメラ
大腸カメラは肛門から内視鏡を挿入して直腸から盲腸までの大腸粘膜を観察するものです。大腸は長く曲がりくねっているため、なるべく苦痛が少なく検査ができるように工夫しています。当院では胃カメラ同様に麻酔薬(鎮静剤)を使用して、眠っている間に検査を行うことも可能です。日本では食事の欧米化と共に大腸がんが増加しており、死亡数の多いがんの種類となっております。しかし早期に発見・治療されれば治癒する確率も高くなり、検査としては大腸カメラが推奨されます。大腸がんと大腸ポリープは密接な関係にあり、大腸カメラ検査時にポリープが発見された場合はそのまま切除することで大腸がんの予防につなげることができます。ポリープは40代から増え始めて、加齢とともにできやすくなりますが、ポリープは自覚症状がないため定期的に大腸カメラにより検査をすることが大腸がん予防には有効です。費用は検査や処置の内容にもよりますが、概算(3割負担)で5,000円から32,000円程度です。
当院の院長は日本消化器内視鏡学会専門医・指導医を取得後、長浜赤十字病院の消化器内科の部長として消化器疾患を中心に数多くの検査や治療、後輩の指導にあたってきました(特に潰瘍性大腸炎やクローン病と呼ばれる慢性炎症を伴う難治疾患を専門としておりました)。大腸がんの内視鏡治療は多数経験しており、こうした診療経験をもとに病気の早期発見や速やかな内視鏡治療に努めてまいります。
当院では富士フイルム社の最新モデル(2024年5月発売)の内視鏡システム「ELUXEO 8000」を導入しています。多彩な観察モードが使用可能であり、Blue Light Imaging(BLI)やLinked Color Imaging(LCI)といった特殊光観察を用いて微小ながんの発見を支援します。
当院では二酸化炭素送気装置を採用しております。通常の大腸カメラではガスを送り込んで大腸を膨らまして観察しやすくしますが、同時に膨満感を感じることが多い検査でもあります。空気より速く吸収される性質をもつ二酸化炭素による送気を行うことで、検査後のお腹の張りが軽減されることが期待されます。
また、当院では静脈麻酔薬(眠ってできる内視鏡)を使用することも可能です。胃カメラと大腸カメラを1日で一度に受けることが可能であり、そのまま大腸ポリープを切除することも可能です。麻酔を複数回受けることが難しい方は、ぜひ一度御相談ください。
大腸ポリープの多くは腺腫もしくは、過形成性ポリープです。がん化するリスクがあるため、当院では大腸カメラでポリープが発見された場合その場で切除することをすすめております。がんの中でも大腸がんは良性の段階で切除することでがん化のリスクが減らせるとされています。輪の形をしたスネアと呼ばれる金属を用いて切除(コールドポリペクトミー)や、ポリープの下に生理食塩水を注入後スネアで通電切除(内視鏡的粘膜切除術)を行い切除します。患者さんの御予定や服用している薬の種類によっては当日切除できないこともあります。ポリープのサイズが大きい場合や切除困難が予想される場合は、その場で切除せず入院のできる医療機関と連携し、後日切除していただきます。
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検査当日
※抗凝固薬や抗血栓薬など血液をサラサラにする薬や血管拡張薬、糖尿病薬などの内服薬がある場合は、一旦中止いただくこともありますので、事前に医師にご相談ください。
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準備ができたら検査着に着替えて、体の左側を下にしてベッドに横になります。次に肛門から大腸カメラを挿入し、検査を開始します。
※麻酔薬(鎮静剤)を使用する場合は、大腸カメラの挿入前に鎮静剤を注射し、鎮静剤の効果があらわれた後に検査を行います。
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内視鏡を肛門から挿入します。検査中は体の向きを変えたりすることがあります。
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結腸・直腸の粘膜を観察し、組織の検査を行うことがあります。またポリープがあり切除可能な場合は切除します。
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一通り観察を終えたら、大腸カメラを抜去して検査終了となります。検査時間は、検査や処置の内容によって異なりますが、観察のみなら15分程度です。